1. 購入相談
(A)購入に必要な資金
お住まいのご購入には、物件の価格に加えて税金などさまざまな費用がかかります。
それら諸費用の合計は、売買価格の6?8%が目安です。したがって、2,000万円の物件を購入する場合、必要な資金は2,120~2,160万円程度となるわけです。
ただし、この諸費用は物件により異なり、住宅ローンの金額によっても変わります。
(B)諸費用の内訳
諸費用は、売買契約から引渡しまでの流れのなかで、その都度支払う費用です。
諸費用の内訳は以下のようになっています。
印紙代 | 売買契約書やローン契約書に貼付する印紙代です。 |
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ローン諸費用 | ローンが残っている場合にかかる抵当権抹消費用や司法書士への報酬、ローン事務手数料などです。 |
保険料 | 火災保険料などです。 |
登録免許税 | 登記に伴う税金です。不動産購入時(所有権移転登記)には固定資産税評価額の1%、ローンを組んだ時(抵当権設定登記)には借入金額の0.4%がそれぞれ必要となります。(軽減有り) |
登記手数料 | 登記手続きの際の司法書士への報酬です。 |
固定資産税 (日割りで精算) |
固定資産税評価額の1.4%が1年分となります。 |
都市計画税 | 固定資産税評価額の0.3%です。 |
仲介手数料 | 売買価格の3%+6万円+消費税となります。 |
不動産取得税 | 住宅の場合、固定資産税評価額の3%です。(軽減有り) |
その他 | 引っ越し費用などです。 |
(C)購入可能価格の割り出し
いくらの物件が購入できるかを割り出すには、まず、月々およびボーナス時に返済できる金額から、 住宅ローンの借入金額を算出します。
月々の返済金額には、毎月の積み立て貯金額、賃貸住宅にお住まいなら現在の家賃などが目安となります。
住宅ローンの借入金額に自己資金を加えた金額が、物件の売買価格と諸費用の合計となります。
住宅ローン借入金額 + 自己資金 = 物件価格 + 諸費用 したがって、住宅ローン借入金額と自己資金の合計から諸費用を差し引いた金額が、購入可能な物件の価格です。
新築住宅の場合 |
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中古住宅の場合 |
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増改築等の場合 |
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控除される金額は住宅に入居した年に応じて下記により算出されます。
〈算式〉 年末借入金残高 × 控除率 = ローン控除額
入居年 | 控除対象 限度額 |
控除率 | 控除期間 | 最大控除額 | |
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平成17年 | 4000万円 | 1% | 1~8年目 | 10年 | 360万円 |
0.5% | 9~10年目 | ||||
平成18年 | 3000万円 | 1% | 11~7年目 | 10年 | 255万円 |
0.5% | 81~10年目 | ||||
平成19年 | 2500万円 | 1% | 1~6年目 | 10年 | 200万円 |
0.5% | 7~10年目 | ||||
平成20年 | 2000万円 | 1% | 1~6年目 | 10年 | 160万円 |
0.5% | 7~10年目 |
他の特例を受ける場合、住宅ローン控除が適用されない場合があります。
住宅を購入するための資金について親から援助を受ける場合、贈与税が課税されない(または軽減される)特例措置があります。従来の住宅所得等、資金贈与制度と新制度の相続時精算課税制度があります。
この新制度が適用される場合、最大3500万円まで贈与税がかかりません。 従来の制度と新制度の違いは下記の通り、但し、どちらの制度にしてもそれぞれ特徴があり、一概にどちらが良いとはいえません。また適用には一定の条件があります。
相続時精算課税制度 | 従来の住宅取得等資金贈与制度 | |
---|---|---|
贈与者 | 親(父又は母で年齢制限なし) | 父母又は祖父母(年齢制限なし) |
受贈者 | 20才以上の子である推定相続人(注) | 子または孫で年齢制限はないが、合計所得税が1200万円以下の者 |
贈与財産の 種類 |
住宅所得等のための資金(金銭に限る) | 住宅所得等のための資金(金銭に限る) |
贈与時の 非課税枠 |
3500万円 | 550万円 |
相続財産 への加算 |
相続時にすべて相続財産に加算される | 相続開始前3年以内のもの以外は相続財産に加算されない |
2. 情報収集
(A)情報収集の手段
所在地や沿線・駅、間取り、価格などのすべての面で満足できる物件は、すぐには見つからないのが普通。
お住まい探しにあたっては、できるだけ多くの情報を集めることが重要です。新聞の不動産広告や折り込みチラシ、住宅情報誌、そしてこのホームページをはじめとするインターネット情報も、上手に活用しましょう。
また、地域に精通した仲介業者は、広告に掲載されている以外の最新物件等の情報も多く集まります。
(B)希望条件の整理
ただし、情報を集めることに熱中しすぎると、優良物件にめぐりあっても「もっといい物件があるはずだ」と、せっかくのチャンスを逃してしまいかねません。そうした事態を防ぐには、あなたのご希望条件に優先順位をつけておくことをおすすめします。
- 地域学区
- 予算
- 間取
- 最寄り駅、立地
- 環境
- 築年数
- 土地の広さ
- ガレージ等
(C)仲介業者を選ぶには
「情報」は、物件についてだけとは限りません。とくにお住まいの購入は、高額な取引であり、専門知識も多く要求されますから、間違いのないように売買されなければなりません。信頼できる仲介業者を選ぶためには、以下のポイントを確認します。
- 宅地建物取引業免許
-
不動産売買の仲介業には、宅地建物取引業の免許が必要です。
また事務所には、免許証番号や有効期限を記載した「宅建業者票」の表示が義務づけられています。 -
免許証番号 国土交通大臣免許*A (8)*B 第777号
免許有効期間
平成○年○月○日から
平成○年○月○日まで
商号または名称 ○×不動産販売株式会社
代表者氏名 ×川△男
この事務所に置かれている
専任の取引主任者の氏名 ×山○夫*C
主たる事務所所在地 東京都○○区××1-2-3
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A:国土交通大臣免許と都道府県知事免許の2種類がありますが、両者に優劣はありません。
B:免許の更新回数を示します。更新は5年に1回(平成7年度までは3年に1回)です。
C:事務所専任の宅地建物取引業者の氏名です。 - 業者団体への加盟状況
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不動産業界にはいくつかの業者団体があります。各団体への加盟にあたっては、一定の基準で資格審査が行われているほか、日常業務に関しても一定の規則が設けられていますから、加盟しているかどうかも業者選びのポイントです。
【主な業者団体】
(社) 全国宅地建物取引業協会連合会
(社) 不動産流通経営協会
(社) 不動産協会
(社) 住宅産業開発協会
(社) 都市開発協会
(社) 全日本不動産協会
(社) 日本ハウスビルダー協会
(社) 日本高層住宅協会
(社) 日本住宅宅地経営協会 など - 沿革・業績・店舗状況
- 業者免許が国土交通大臣免許の場合は国土交通省不動産課で、都道府県知事免許の場合は各都道府県の宅地建物取引業の担当局部で、それぞれ業者名簿を閲覧することができます。名簿には、代表者の経歴、事業の沿革、過去3年間の営業実績、業者団体への加盟状況、過去に業務停止処分を受けたかどうかなどが記載されています。
3. 現地見学
(A)現地見学
収集した情報を検討して、気になる物件があったら積極的に現地見学に行きましょう。
物件情報だけではわからない建物の具体的な状態や、周辺のさまざまな環境を知るには、現地を見学するのが一番です。
(B)物件のチェックポイント
現地で物件をご覧になるときは、まず第一に、チラシや広告などの情報通りかどうかということを確認しましょう。
さらに汚れなどの状態や、日当たり、風通しなど図面ではわからないことをよく確認します。
また、家族それぞれの立場からチェックすることも重要です。
【物件の主なチェックポイント】
- 敷地状況
- 内装・外装の材質、汚れ、ひびなどの状態
- 部屋数、間取りごとの使いやすさ
- 各部屋の向き、日当たり、風通し
- 車庫・駐車場、駐輪場
- 冷暖房設備設置状況
- 増改築・リフォームの必要性
- 収納スペースの状況 など
(C)周辺環境のチェックポイント
【周辺環境の主なチェックポイント】
- 交通機関の状況(駅までの所要時間、始発・最終時間、混雑状況など)
- 周辺道路の状況(交通量、混雑状況など)
- 教育施設(学校、学区など)
- 公共施設(病院・公園・図書館など)
- その他の周辺施設(商店街、スーパー、コンビニ、飲食店など)
- その他の環境(騒音など)
(D)オープンハウス情報
オープンハウス
では、実際に売り出し中のお住まいの内部を、ご自由にご覧いただけます。
開催日には、お好きな時に予約なしで、お気軽にお越しください。
4. 不動産売買契約
(A)購入申し込みから契約まで
ご購入希望の物件が決まったら、仲介業者に購入を申し込みます。
その際、購入申込書を提出します。
これを受けて仲介業者は、代金の支払方法や物件の引渡し時期、付帯設備の確認など契約のための条件を調整します。
そして条件が整ったら、重要事項説明を経て、不動産売買契約を結びます。
(B)重要事項説明
重要事項説明とは、売買契約の締結に先立って、物件にかかわる文字通り重要な事項を説明するものです。
これは宅地建物取引主任者の資格をもつ仲介業者が、「重要事項説明書」によって説明を行います。
重要事項説明書には、登記簿記載の権利関係や、物件の概要、代金の授受の方法、万が一の契約解除の場合の 規定などが記載されています。不明な点は必ず仲介業者に確認しましょう。
(C)不動産売買契約とは
不動産売買契約は、「不動産売買契約書」を用いて締結されます。
売買契約書は、取引内容や当事者の権利・義務などを 明らかにし、安全・確実な売買の成立を目的とするものです。
売主・買主の双方が署名捺印し、買主が手付金を支払って 契約が成立します。
不動産売買契約を締結したら、以後は契約書の記載内容に基づいて権利や義務を履行することになります。
義務に違反すると違約金の支払いが必要になる場合もありますので、不明な点は必ず仲介業者に確認しましょう。
(D)契約時に用意するもの
お住まいのご購入に際して不動産売買契約を結ぶときは、以下のものが必要です。
- ・印鑑(ローンご利用の場合は実印となります)
- ・手付金(現金か預金小切手かを事前に確認しておきます)
- ・印紙代(売買金額によって異なります)
- ・仲介手数料の半額(別途消費税が必要です)
- ※ローンご利用の場合は、ローン申し込み用書類も必要です。
5. 住宅ローン
(A)公的融資と民間融資
住宅ローンは、大きく分けて「公的融資」と「民間融資」の2つに分けられます。どちらを利用するかは、利用者の資格条件や取得する物件によって決まります。
公的融資
住宅金融公庫融資 | 購入する住宅が所在する都道府県内の「住宅金融公庫業務取扱店」と表示された金融機関で手続きをします。固定金利の割に金利が低い、抵当権設定時の登録免許税が免除になるなど利点が多いのですが、金利に保険料が含まれない、つなぎ融資が必要な場合があるなど不利な点もあります。 |
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年金住宅融資 | 厚生年金保険、国民年金の加入者を対象とした融資です。 |
財形住宅融資 | 勤務先で財形貯蓄をしている人を対象とした住宅ローンです。 |
民間融資
銀行、信用金庫、生命保険会社、住宅金融専門会社、信販会社などの民間金融機関が、それぞれの規定に基づいて 行う住宅ローンです。したがって、金利や融資限度額、返済方法なども各金融機関によって異なりますが、融資条件は 一般的に公的融資よりもゆるやかです。
(B)ローンのお申し込み
住宅ローンのお申し込みには、以下のものが必要です。
・住民税決定通知書 (公的所得証明)
・原産徴収票
・実印と印鑑証明
・住民票(家族全員のもの)
・健康保険証写し
・重要事項説明書
・不動産売買契約書の写し
・融資の申込書類一式(融資機関ごとに異なります)
・印紙代 など
6. 残代金支払い・物件引渡し
(A)物件の最終確認
入居後のトラブルを未然に防ぐため、売主・買主双方で、物件の状態についての最終確認を行います。
付帯設備表の内容との一致の確認
物件状況報告書の記載内容との一致の確認
(雨漏り・シロアリの害/建物構造上主要な部位の木部腐食/給排水設備などの故障)
隣地との境界の明示 電気・ガス・水道の使用方法、故障時の連絡先の引き継ぎ
(B)残代金支払い時の流れ
- 登記申請書類の確認
- 所有権移転登記の申請を行います。
登記を代行する司法書士に必要書類を渡し、登記申請を依頼します。
- 残代金の支払い
- 手付金と内金を差し引いた売買代金の残額を支払います。
- 固定資産税などの精算
- 登記費用を支払い、固定資産税などを精算します。
- 関係書類の受け取り
- 管理規約、パンフレット、付帯設備の保証書・取扱説明書などを受け取ります。
- カギの引渡し
- お住まいのカギを受け取り、その確認として「不動産引渡確認証」を発行します。
- 諸費用の支払い
- 仲介手数料などの諸費用を支払います。
(C)残代金支払い時に用意するもの
- 残代金
- 仲介手数料の残額
- 登記費用(登録免許税および司法書士への報酬です)
- 固定資産税/都市計画税、管理費などの精算金
- 住民票
- 印鑑(実印)
- 印鑑証明書(抵当権設定時のみ必要となります)
- 住宅ローンの諸費用(火災保険料、保証料、銀行費用等)
(D)登記手続きとは
登記を代行する司法書士に必要書類を渡し、登記申請を依頼します。
- 残代金
- 仲介手数料の残額
- 登記費用(登録免許税および司法書士への報酬です)
- 固定資産税/都市計画税、管理費などの精算金
- 住民票
- 印鑑(実印)
- 印鑑証明書(抵当権設定時のみ必要となります)
- 住宅ローンの諸費用(火災保険料、保証料、銀行費用等)
(D)登記手続きとは
「登記」とは一定の事項を広く公示するために、公開された帳簿に記載することを意味します。
その目的は 取引の安全を保護することですが、不動産取引においては、登記の手続きは司法書士に依頼します。
司法書士は、必要書類を預かって登記の申請書を作成し、法務局に提出します。
登記済みの権利書などを 司法書士から受け取ったら、紛失や破損などがないよう注意して保管してください。
(登記済権利書の再発行はできません)
7. 引っ越し・入居
お引越しの準備
お引越しでは、住民票の移動届や学校への転校届をはじめ、電気・ガス・水道・電話の移転手続き、金融機関・保険会社への住所変更届、さらに荷物の整理・梱包、粗大ゴミの処分、冷蔵庫内の食品の処分、近所へのあいさつなど、やらなければならないことがあまりにも多くあります。
どこで何をしなければいかないか、誰に何をしなければいけないかなど、あらかじめ計画を立てて準備しておきましょう。